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【感想】風立ちぬ

昨日、風立ちぬを観てきました。
感想とか書いたりするタイプじゃないんですが、なんかむずむずするので、感じたことをちょっと書き留めたいと思います。
たまにちゃんと文章書かないと、ものの書き方を忘れてしまいそうですし。

あまり長々とは書きません。

※以下ネタバレ注意



泣いた。
面白かったとか面白くなかったとかじゃなく、泣きました。

有り体に言えば、「感動」したということでしょう。
でもジーンときたとか、胸を打ち奮わされたとか、そういった類ではなくて、なんだかじわーっと涙が溢れてきたようでした。

正直、ストーリーだけ見たら大して面白くもないと思います。
アニメとしても、急に時間が飛ぶ上、夢の中の話がやたらと出てきて、ともすれば視点を失ってしまいそうな演出で、テンポが悪く、話がわかりにくいと感じます。

ただ、それでも涙が出たのは、全編を通じて、ただひたすらに感じた美しさです。
トトロのような心温まる物語でも、もののけ姫のような強く訴えかける物語でもなく、美しい物語だと。

あらすじにはかつて、日本で戦争があったから始まる文章が綴られています。
ですが、本編には戦争の激しさや厳しさ、震災の苦難等は特別描かれず、零戦の開発秘話が語られるでもなく(零戦など出てこないと言っていい)、堀越二郎の半生がたんたんとフィクションとして描かれているだけです。

そこに、夢の中で出会うカプローニと自由に飛ぶ飛行機、そして菜穂子さんとの恋愛とが散発的に、美しく編みこまれていきます。

耽美的すぎると、わけのわからない映画になってしまうし、現実の技術者の挫折と栄光を見たいのであれば、ドキュメンタリーなりノンフィクション映画で十分です。

菜穂子さんとの恋愛模様はとてもロマンティックですが、それでも二郎は「美しい飛行機を作る」という夢に向かってひたすら突き進んでいます。
「時間がない」と言いながら、毎日夜遅くまで仕事して、ほとんど一緒にいることなんてないんですから。

実在の人物をモデルにしながら、現実の障碍をほとんど省いたところに理想的な描写が組み込まれ、緻密な背景と幻想的な風景、描写も相まって美しさを生み出しているではないでしょうか。

宮崎駿監督が全体には美しい映画をつくろうと思うと述べておられますが、まさしく美しい映画でした。
これはきっと、漫画やドラマ、実写映画では不可能な、アニメでしか生み出すことの出来ない物語だと思います。


結局のところ、自分の好みにドはまりしてしまったのが大きいです。
好みのはっきり分かれる映画だなと思います。

わたしは大好きです。
今までのジブリ映画の中で一番「感動」したかもしれない。

もし菜穂子さんの死が描かれて、それで二郎が発奮するような物語であったら、容赦なく「つまらん」と言っていたことと思います。

庵野秀明の演技は最初ずっこけそうでしたが、最後には全く気にならなくなってます。
あと結婚式での菜穂子さんがすごくきれい。


この映画は反戦映画ではなく、ドキュメンタリー映画でもなく、悲恋もののお涙頂戴映画でもない。
ただどこまでも「美しい物語」でした。
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